人間は複雑なことを考えることができる動物です。
当たり前のようですが、他の動物よりも考えることについては抜群に優れています。
仕事を進めるにも誰かに付きっきりで指示をもらって、言われたことだけを言われたままするわけにはいきません。
大まかな指示をもらい、その後は「自分で考えて実行する」の繰り返しです。
工事現場でもやることは決まっているようですが、一人一人の「考え」の集大成で進められています。
下山大工がじーっと固まっています。
ボケーっとしているわけではありません。
さぼっているわけでもありません。
この日は物干しテラスの屋根組みをお願いしました。
図面に高さや幅を記入して現場で説明しますが、その先は下山大工の「考え」で進められます。
材料の無駄が出ないように切断する寸法を考え、
一人でも作業できる方法を考え、
屋根材の寸法に合わせて垂木の割り付けを考え・・・
「考え」がまとまると実行に移ります。
ビスを留め付ける位置は外観からはわかりません。
計算で求めて把握します。
この道50年のベテラン大工。
ベテランでも「考え」がないとミスをしたり、非効率だったり、材料を無駄にしたりすることに。
「考え」がしっかりしているから「任される職人」なのでしょう。
こちらは松久保大工。
こちらの現場でも同じく「考えて」います。
天井の石膏ボードを貼るために下地材の割り付けを考えたり。
電気屋さんが照明を取り付ける位置に下地材がかぶらないように。
そもそも数週間先の作業で無駄に苦労しないように、現場入りの時から作業の順番を考えます。
材料もすぐに現場に搬入できるわけではありませんので、次週の作業を考え使う材料を必要分計算して割り出し、担当者に前もって連絡することで円滑に進められます。
4月から独立した深野木さん。
造成工事の現場に応援に来てもらってます。
こちらでも同じく「考えて」。
ブロック積みの最終的な高さから逆算して掘削高さを決める。
丁張(やり方)はユンボの掘削ラインを想定して邪魔にならない位置に。
境界ラインに水糸を張って最小掘削量で済むようにマーキング。
などなど。
マル川大工の最若手、満冨大工。
改修工事の現場では柱の大きさが違ったり、高さが違ったりの不具合は付き物。
仕上がり厚みを計算して補足材を前もって用意したり。
後から支障にならないように壁の厚み分ひかえて下地を入れておいたり。
「最終的にどうなるか?」を考えて。
図面に書いていれば誰でもできるわけではありません。
図面に書かれていることを守りながら、図面以上のモノになるように。
無駄やミス、手直しが多いと時間と労力ばかりかかるだけで良いものは出来上がりません。
全員が「考えること」で円滑に良いものを提供できます。
「考えること」
新人に仕事を教える中で「最終的にどうなるのかを理解して、そのためにやることを考えなさい」と指導します。
しかし「考えて仕事しなさい」ほど教えることが難しいです。
「慣れてくればそのうちできるだろう」では表面のことしか理解できていません。
一つ一つ細かく指示をしていては指示待ち人間、考えない人になってしまう。
細かい内容を説明するよりも「考える癖」を身に着けてもらうほうがお互いにいいかと思います。
今日も白田さんがこちらを見ています。
白田さんも何か思うところがあるのでしょうか。
考える男、大地でした!
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