椋(むくのき)

所在地南九州市
構造規模平屋
延床面積87.77㎡(26.55坪)
敷地面積920.0㎡(278.3坪)
竣工

この地域に本当に必要なものとはなんだろう。
わたしたちの生業である建築で、できることは・・・

緑の多い場所では森の豊かさが地域の豊かさにつながる。
森はそっとしておくものではなく、伐採と植林を繰り返しながら育っていくもの。
この地で永く生きた木を使うことは、森にとっても、建物にとっても嬉しいこと。

深い軒は、南国鹿児島の強い日差しから人と建物を守るため。
低く抑えた屋根と、通り抜けられる中廊下は、台風の強い風を受け流すため。
自然の力に逆らわず工夫しながら共に暮らしていくこと。
そうやって何世代もわたってこの地の暮らしと伝統は築かれてきました。

椋(むくのき)とはその名のとおりムクドリが集まる木。
この場所も、人が自然と集まってくるような場であってほしい。
訪れた人が、この地とこの景色を好きになってくれたら嬉しい。

この地域に本当に必要なこと・・・
それは、自然と人が共にあり、地域を楽しめる場所があること。
普段見過ごしている小さなことに、ふと目が留まること。
心の豊かさが生まれるこの場所で どうぞ少しの時間、腰を下ろしてみてください。

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